Words

□好きな人って、誰?
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「僕、彼女できたんだ!」

事務所の打ち上げで、ヘラヘラとそれは嬉しそうにアタシにそう言うこの男。



わかってる。

アタシなんかダメだって。

女として見られてないんだって。


そんなことわかってたから。


悲しくない。

涙なんか出ない。



そう思ってたのに。



アタシのギュっと握り締めた拳に雫が落ちる。






「ごめん。アタシ、トイレ行ってくる」


この場にいてもたってもいられなくなったアタシは逃げた。




トイレの個室にとじ込もって、気持ちの整理がつくまで、ひたすら泣き続けた。





「***ヌナ、大丈夫ですか?」

トイレから出れば通路にチャンミンがいる。


アタシが練習生時代から抱いているユノに対する恋心を知ってるチャンミン。



『…チャンミナ』

チャンミンの優しさにまた涙が出る。



「よしよし」

って年下のチャンミンに頭を撫でられながら泣くアタシは、本当にダサい。










「あれぃ?チャンミナと***??」


空気の読めない男は本当に困る。




「なにぃ?2人付き合ってるの?」


その言葉にアタシはまた涙を流す。





「違いますよ、ヒョン」

「ふーん。そっか」


大丈夫ー?***〜

ってアタシの頭を撫でるユノ。





とりあえず、落ち着いて個室に戻る。



アタシが端で静かにお酒を呑んでれば

「***はさ、彼氏とかいないの?」

ユノがくる。


『…いないよ』

「じゃ、好きな人って、誰?」

ユノ。

そう言えたら楽なんだろうけど言えない。



『ユノになんか教えないよ』



そう言うことしかできないから


アタシはいつまでもユノの隣に並べないんだ。



(君の隣で笑いたい)

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