School Love
□ほのかに香るエタノール
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「ったく、先生居ないのかよ」
保健室に行けば先生は出張中でいなかった。
「ほら***、そこ座って。俺が見てやるよ」
みんなの前では###と名字で呼ぶのに、2人の時は***と名前で呼ぶジョンヒョン。
『ジョンヒョンに出来るの?』
「出来るから」
そう言ってジョンヒョンが綿を取りだし、エタノールに付ける。
「染みるけど、少し我慢して」
ジョンヒョンがアタシの足を押さえて綿を押し付ける。
『…っ!』
少しの痛みが走って目をギュッと瞑れば
「お前、顔やばっ」
ジョンヒョンが笑う。
『なんかジョンヒョンとこうして笑い合うの久しぶりだね』
高校に入ってからはあまりジョンヒョンと話さなくなった。
「ま、俺がモテモテだからね」
なんてジョンヒョンがドヤ顔する
『きっも、ジョンヒョナ』
「は?お前に言われたくないし」
なんて昔みたいにギャーギャー言い合って
気が付けば2人の距離が自然と近くなっていた。
急に目を反らすジョンヒョン。
「***…」
『ん?』
「瞼にゴミ付いてるぞ。目閉じて」
そう言われて目を閉じる。
そうしたら唇に何かの感触がする。
びっくりして目を開ければ目の前にはジョンヒョンの綺麗な顔。
反射的に顔を離すと
「なんだよっ!」
ジョンヒョンが真っ赤な顔をしてそう言った。
『な、なにしてっ、』
心臓がバクバクする。
「ん?キス」
真っ赤な顔のくせに平然な口調でそう言う。
『意味わかんないっ!』
そうアタシが言えば
「***のことが好きなの」
これで十分?
そう言うとニヤッと笑ってまたアタシにキスをする。
エタノールが少し香る保健室の中で、甘い甘いキスを。
fin.