Story

□マジすか学園ー2ー
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翌日、部下に怒られて仕事をこなして午後はパトロールと言ってまた抜け出した。


腕が治るまでは自由でいさせてー!!



マジ女に着いて、校庭を突っ切る。

わらわらと授業所じゃないこの学校は、生徒で溢れる。


警察だと知っているから誰も近づいて来ないし。



「お、おーい!!みなみー!!」

「げ、もう見つかった」



三階だての校舎の三階の窓から手を振って叫ぶ優子。


"こっちこいよー!!"


そう言って招くもんだから、とりあえず校舎に入った。


廊下を歩いていると、見覚えのある人物が。



「あ、敦子ちゃん」

「昨日の…」

「コノヤロウ前田ー!!!」


後ろからいきなり敦子に殴りかかろうとする人物を、敦子はいとも簡単に避けてぶっ飛ばした。

避けた時に眼鏡が取れて、こっちに転がってきた。



「へー…なかなかやるんだな」


眼鏡を取り、敦子に差し出す。

が、眼鏡を外した敦子はやっぱり可愛くて敦子の肩を掴んだ。



「お前やっぱり眼鏡ない方がかわいいよ」

「……は!?」



今まで顔色1つ変えなかった敦子が、顔を真っ赤にして狼狽える。

やべ、おもしれー。



「うん、かわいい」

「っ!……眼鏡返せよ!!」

「だから、ない方がいいよ?じゃね」



手を取って眼鏡を渡し、階段を上る。

敦子、かわいいとこあんじゃん。



階段を上ると、待ちくたびれたようにうなだれながら階段の上で座っ待つ優子がいた。



「おせーよ」

「悪い悪い。敦子が居たからさ」

「前田か?」

「そ、喧嘩強いんだな敦子」

「ああ。オレと対等に渡り合えんのはアイツしかいねーからな」



そう言って楽しそうに笑う優子を見ると、こっちまで笑顔になる。



「ほら、こっち」



私の手を引いて部室に入る。

部屋には四天王にサドに下っ端?がいた。


「ちょっと奥に居るから」

「はい、優子さん」



連れられるがまま奥の部屋へ。

優子はドサッとソファーに座り、ポンと隣を叩く。


あー座れってこと?



「本当に来たんだな!!すげー嬉しい!!」


ドキッー


あ、あれ?
なにコイツにドキドキしてんだ?



「あ、そう」

「なーみなみは恋人いんのか?」

「な、なんだいきなり!?」

「いんのかって聞いてんだよ!」



またそんな険しい顔して…



「居ないよ」

「そうなのか!?」



今度はパアーッと表情が明るくなって、笑顔になる。

そのギャップ…やばいだろ。


不覚にもドキドキとして、少し恥ずかしくなる。



「そ、そんなに嬉しいのか?恋人居なくて」

「おう!」

「そんなに私が好きか?」



その言葉を言った途端、顔を赤くして俯く。


へ?……ま、マジ?


てか、まった、なんだこのギャップ…キュンキュンするだろ…




「わりぃかよ…」

「へ?」

「好きだったらわりぃかよ」



恥ずかしそうに顔を上げてこっちを見る優子の目はマジだった。

おいおい…嘘だろ?



「悪くはないけど…」



その瞬間、優子に抱きつかれた。



「オレ…みなみにならなにされてもいいよ…」

「は!?優子!?」



ちょっ!!マジでどうした!?

優子が…私を好きだなんて…



その時だった―


コンコン


「優子さん!矢場久根がうちの生徒ボコッたらしいです!!」

「…今いく」



そう言って私から離れて、不意にキスをした。


…え?



「オレ、マジだから。これからは遠慮しねー」



そう言って部屋を出て行く。

1人部屋に取り残されて、ボーっとする。



キス…された。



その日、1日ずーっとボーっとしていたのは言うまでもない。





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