A

□ばか、バカ、馬鹿。
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「ばか、ちび、男、鼻テカってるし…テレビであんなことしないでよね!!」

「そ、そこまで言わんでも…」




陽菜の家であたしはソファーに座って足組、その下で正座しているたかみな。

しかもうなだれてる。




これは遡ること数時間前―




――――――――――


とある生歌番組。

いつものようにリハーサルを終えて、楽屋でノースリーブスの3人で待機。




陽菜がトイレから帰ってくれば2人がなんかひそひそしてて、笑ってる。



「なになにー何の話?」

「え!?なにも!?ねーみいちゃん!」


「そう、ただたかみなのテカリ相談受けてたの」




もう見るからに2人怪しくて、嘘ついてるのなんてバレバレなんだけどそれ以上聞かずにいた。


思えばこの時問い詰めてれば良かったと後悔した―







本番が始まりトークを終えて新曲披露。


この新曲のラスト毎回たかみなに最後後ろから抱きしめられるからドキドキしてることは内緒。




まー誰もうちらが付き合ってるなんてわかんないよね。


そんなこと考えながら曲も終盤、またドキドキするのか…




なんて思ってたら、みいちゃんとたかみなに頬にキスされた。

思わずたかみな振り払っちゃって、テレビってこと思い出して笑顔で乗り切った。





ヤバい…ドキドキが止まんないし、てかテレビの前で何やってんだよたかみなー!!



―――――――――――



「で?みいちゃんがやるって言ったからやったの?」

「はい…」




たかみながテレビでそういうことするのが、どれだけ貴重で奇跡的なことか絶対わかってない。


もーばか!!




「別に減るもんじゃないのに…」

「なんか言った!?」


「いえ、何も」




正座がそろそろ痺れてきたのか、なんだかもぞもぞとしだすたかみな。

はあ…許してあげるか。




「もう次やったら知らないからね」

「許してくれるの!?」




少年のような目つきでキラキラと目を輝かせてこっちを見る。


ったく…



「仕方ない」

「やったー!!…っいてててててて!!!」




正座から直り立ち上がろうとしたけど、足が痺れて立ち上がれないたかみな。


そんなたかみなの足を足でツンツンする。



「ちょ、やめれ」

「ふーんだ」


「陽菜さん、やめてー!!」





しばらくたかみなへの嫌がらせは続くのだった―





End

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