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□君の考えてること
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※『引き返せない』続編
あれから、何度たかみなと愛し合い、好きと気持ちを伝えあっただろう。
なのに、あたしたちの関係は変わらぬままAKBの仲間の1人にしか過ぎなかった。
少なくとも、たかみなの中ではそうだと思う。
あたしはたかみなから"別れて、付き合って"という言葉を待っているのに一切、麻里子とのことは口にしない。
たかみなの考えてることがわかんない。
ただの身体だけの関係なのかな?とか色々考えちゃう。
だったらあたしが別れて、たかみなに付き合ってって言えばいい話だけど、どうしてもたかみなから言って欲しい。
なんて言う、あたしの我が儘。
「敦子〜今日ご飯行かない?」
「あー…うーん…」
麻里子からの問いに、チラッとたかみなを見るけど無反応でケラケラ笑いながら漫画を読んでる。
「じゃあ行こうかな」
「久しぶりだね〜」
麻里子はあたしの隣に腰掛けて、ギュッと抱きしめてくる。
正直、麻里子がここまでみんなの前で積極的なことはあまりない。
どうしたんだろ?とは思うものの、あたしが求めてる温もりではないことには変わりはない。
あたし、最低だ。
「篠田さん、小嶋さん撮影スタジオにお願いしまーす」
スタッフさんの一声で、楽屋はあっという間にあたしとたかみなの2人。
相変わらずたかみなは漫画を読んでて、あたしはたかみなに近づいて漫画を取り上げた。
「あ、ちょっと!」
「ねー」
「ん?」
「あたしのこと好き?」
「…好きだよ?」
急な質問にボッと顔を赤くしながら答える。
この反応に嘘はない。
「じゃあ麻里子と別れて欲しくないの?」
ずるい質問だってわかってる。
「んー…それはあたしが決めることじゃないし、敦子が判断することやろ?」
「まぁそうだけど…」
「あたしがどーこー言ったって仕方ないし、本当に敦子が一緒に居たい人と居たらそれでいんじゃない?」
たかみなの表情は真剣で、その意見は正しくて、変なこだわりをもっていたあたしが馬鹿らしくなった。
「まーあたしは少なからず敦子と居たいけどね」
「たかみな…」
照れているのかそっぽを向いて、背中をあたしに向ける。
あたしは構わず後ろから抱きついて、耳元で囁いた。
「あたし、けじめつけなきゃね」
コクンと頷くたかみな。
そんなたかみなの頬にキスをする、楽屋だということも忘れて。
その後、何度も何度もキスを交わし感情は高ぶり、楽屋にも関わらずたかみなはあたしを膝の上に乗せ、スカートの中に手を入れた。
「ちょっと!みんな返ってきたらどうすんの!?」
「大丈夫…すぐ終わるから」
そう言って下着の隙間から指を入れる。
「うわっ…ほんと敦子って変態」
あたしだってわかってる。
下着の中がトロトロだっていうことに。
「あッ…たかみなッ!」
「声出したら聞こえちゃうよ?」
あたしの感じるとこを的確に当てて、ゆっくりと刺激する。
声を出さないように手で口を抑えてる。
「んん……んッ」
だんだんと指の動きは早くなり、楽屋ということで興奮してるあたしはもう既にイきそう。
「敦子…好き」
その言葉と同時によりいっそう速く敏感な部分を刺激し、あたしは果てた―
「ばか…」
「ごめん」
くたくたなあたしを抱き寄せて、ポンポンと背中を叩く。
やっぱり落ち着く…
あたしもはっきりしなきゃな―
End