@

□好きなんだけどな
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「たかみなー!これこう?」
「たかみなーここはー?」
「たかみなー!!」



みんなしてたかみな、たかみなって…ほんとモテモテだこと。

今はレッスン終わりのスタジオ。



みんなダンスを教わるだけが理由じゃない気がする。

篠田の勘ってやつ。



あたしはその中に行かないのかって?


そんなに図々しく行けるタイプじゃないし、なにより篠田はいつも離れて見てる健気タイプ。


え?違うって?



まーそれは置いといて、この後みなみとご飯の約束してるけど捕まってるからなかなか行けない。


大人しく待つ篠田はやっぱり健気だと思う。




しばらくして、みなみの身体がやっと空いてこっちに来る。


「すみません!お待たせしました!!」

「大丈夫、行こっか」

「はい!」



ほんと可愛いちびだこと。


着替えを終えて、篠田が決めた店に行く。

ま、個室の居酒屋みたいなものだけど。



「みなみお酒は?」

「あ、飲みます飲みます」

「もう二十歳だもんねー」

「大人の仲間入りっす」

「いやー見た目は昔から20越えだけどね」

「ちょっと、麻里子さまー!!」



そんなくだらない話をしながら、お酒もすすみ久しぶりのみなみとの2人だけの時間。



「ねーみなみって好きな人居ないの?」

「えっ!?なんすか急に!?」

「あ、いるんだー誰々!?」

「ま、麻里子さまが教えてくれたら教えます」



コイツ…うまく交わしたな…

でも、本当はみなみの好きな人なんて知りたくない。

篠田じゃないことは確かだから。



「んーあたしはねー」



もう思い切って言ってもいいかなー。



「みなみのこと好きなんだけどなー」

「…へ?」



お酒のおかげだろうか、こんなにさらっと言えたなんて。



「ま、麻里子さまお酒飲み過ぎじゃないですか!?」

「全然?シラフだよ?」

「あ、じゃあ冗談とか?」

「冗談にしたいんだ」



やっぱりそんなもんだよねー。

しどろもどろしてるのなんて、驚いてるだけだろうし。



「…マジっすか?」


上目遣いに篠田を見つめるちび。


「マジだよ」


マジすかかってーの。



「高橋も…好きなんですけど」

「は!?」


思わず大声を出して騒ぎみなみを見る。

お酒のせいで顔が元々赤いからよくわかんないけど、顔がマジだ…



「今更冗談とかやめてくださいよ!?」

「うそ…」

「ほんとに好きなんだもん…」



あ、なんかみなみが可愛くなってる。

これもお酒の力?



「ははっ、じゃあ今日からよろしくね。ちっちゃな彼氏さん」

「か、彼氏!?」



いちいち反応面白いなー。



やばい、篠田幸せです。





End

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