@

□聞いてない
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「ちょっと陽菜!どういうこと!?聞いてないよ!!」


それは陽菜の家で、陽菜が出演するドラマを2人で見ていた時のこと。

次週の予告で、陽菜がキスするかもしれないという展開。



「ん?なにが?」


とぼけるつもりか?



「今のなに!キスすんの!?」

「あーなんだそれか」


呆れたように笑って、テレビのリモコンを持ちチャンネルを回す陽菜。



「なんだって!あれ本当にキスすんの!?」

「さあーどうでしょー?」

「どうでしょうじゃなくて!」

「それは来週のお楽しみ」



なんだよなんだよ。

キスシーンだってのに、あたしに言わないってどういうこと!?



「てかドラマなんだしそんなに気にしないでよ」


また人の顔を見ないで笑って…


「こっち見てよ」


テレビのリモコンを奪って、陽菜を向かせる。



「てかそんなドラマで妬かないでよ…」

「だって嫌なもんは嫌」

「もー…陽菜にとっては、たかみなとのキス以外はなんとも思ってないのに…」

「…ほんと?」



おいおい、単純だなあたし。



「ほんと。好きな人とじゃなきゃ何にも感じないもん」

「陽菜…」


やっぱり高橋は陽菜にすごく甘いと思う。

なんだろう、好きって人を狂わせるよね。



「てか感じてくれてたの?」

「変態。そういう意味じゃないから」

「えー違うのー?」

「へんたーい」



そう笑って、あたしの頬を掴んでびよーんと伸ばして遊びだす。

そんな小嶋さんが可愛くて仕方がない。





「あー陽菜キスしたのかな?」

「教えなーい」

「教えてよー!」

「来週もお楽しみに〜」






くそー好きだ。





End

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