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□鈍感
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いつものように騒がしい楽屋。

高橋の隣にはスヤスヤと寝息をたてながら、高橋の肩で眠る敦子がいる。



ドラマの撮影やらなんやらで疲れているんだろうと、改めて実感する。

目の下のクマは化粧でも隠せないほどに、濃いものになっている。



"あんまり頑張りすぎんなよ"



そう心の中で唱えて、敦子の頭をそっと撫でる。



もう何年もあたしは敦子に恋をしている。

想いは伝えずじまいだけど。


今の関係が壊れるのが怖いから。




「みなみーちゃんと敦子連れて来てよ?うちら先にスタジオ行くから」

「了解です!」



麻里子さまに促され、あっという間に楽屋には敦子と2人きり。


ギリギリまで寝かせてあげるのが、うちらにできる敦子への支え。

そんな頑張る敦子のことが…



「…好きだよ」



そう言って寝ている敦子の唇にキスをした。




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