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□夏と言えば
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「あ〜たかみなんちで、スイカ割りの夢叶わなかったなー」


「当たり前やろ!なに言うてんや!!」



楽屋で隣同士に座り、そんな話を切り出せば、たかみなは読んでいたジャンプから目を離してこっちを見た。



「えーつまんなーい」


「つまんなくない。高橋の家が大変なことになるやろ」


「今年の夏はつまんなかったなー」


「おい…たくさんデートしたのに…」




呆れ顔のたかみなをよそに、携帯片手にTwitterの更新。

スイカ割りしたかったのにー。



なんて言うのは口実で、たかみなと一緒に居たいだけ。





「今年は浴衣も着てないしなー」


「花火大会行きたかったね」


「ほんとだよー」




なんてふてくされていれば、たかみなは




「あ、でも行かなくていいや」


「えーなんでー!?」


「だって、浴衣着たにゃんにゃんなんて、綺麗過ぎて他の人から守んの大変だし」


「…たかみな」




ちょっと耳を赤くして、照れているのか陽菜の顔なんか見ないで、ジャンプを見ながら話すたかみな。


そんなたかみなが陽菜は愛おしくって、思わずたかみなを抱きしめた。




「うお、ちょっ、にゃんにゃん?」


「ばーか…陽菜はたかみなしか眼中にないんだから平気だよ」


「そ、そお?」




顔を真っ赤にして、陽菜の方をちらっと見る。

安心したかのように、はにかんで笑う。




「あのー…ここ楽屋なんすけど」


「そういうのよそでやってもらえる?」



優子と麻里ちゃんに痛い目つきで見られて、バッと離れるたかみな。


もー…恥ずかしがりなんだから。




「楽屋ってこと忘れてた!!」


「たかみなバカでしょ(笑)」


「優子うるさい」


「ばーかばーか!」

「こら!!まちやがれ優子!!」




ほんと…子どもみたい。


今も優子追いかけまわして楽屋走り回ってるし。



でも、そんなたかみなが陽菜は好き。





スイカ割りなんてしなくていい。





ただ一緒に、傍に居てくれれば。








End

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