雨飴、時雨!

□05.お寿司は腐りやすい
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(side.山崎)



零兎くんが渡した寿司に夢中の
万事屋一行は、
一応、気付いてない様子…。



にしても、
また失敗するところだった…。



上から寿司にたかる
3人を見ながら、やれやれと思う。



にしても、あの寿司、
五人前くらいないか…?



って言うか、なぜ寿司なんだ?



もうちょっと手軽な食べ物に
して欲しいな…。



そのうち零兎くんが帰ってきて、
2人でしばらく
万事屋の行動を観察する。



夜も更け、新八くんは家に帰り、
2人はもう眠る様子。



「零兎くん、今のうちにご飯にしようか。」



「あ、はい!」



ガサガサと袋を出して漁る
零兎くんを後目に、
1日目の報告書を書く。



「退くん、ここ埃っぽいね。熱が籠もって暑いし…」



「うん、屋根裏だからね。大丈夫?」



「うん、鼻詰まっちゃったけど」



にへらと笑う零兎くんに
僕も少し笑みがこぼれる。



「あ…さっき、銀時くん達にお寿司あげちゃったから、僕たちの、イカとタマゴしかないや…」



「なんでイカと玉子オンリーなの!?」



「半額になってるのが、銀時くんにあげたのとこれしかなかったんだ。銀時くんにどれがいい?って聞いたら、あのおっきいのって言うからさぁ〜」



「そらそうだろうね…。」



退くんはどっちにする?
なんて笑顔で聞かれたら、怒れない。



「じゃ、イカでいいよ…」



「じゃあ、はいっ!」



渡されたパック寿司。
イカを渡されたはずなのに、
乗っているネタは
どす黒く変色していた。



「ねぇねぇ、零兎くん。これ、いつ買ったの…?」



「お昼にスーパーで買った!」



「お昼に半額になってて、それでこのお寿司、今までどこに置いてたの……?」



「僕が持ってたよ?」



売り時のお昼に
半額になってた時点で
前日の残り物…。

さらに屋根裏の気温は恐らく、
30度以上ある。



これ、100%腐ってるよね?


 
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