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10/23(Tue) 23:46
1

「おはようございまーす」
「おはよう。今朝はこっちで授業だったのかい」
「いえ。研究室に忘れ物しちゃってて」
「ああ、だからあそこから出てきたのか」
「先生はこれから講義ですか?」
「いや、学会に仕様書を送るために出てきたんだ。さすがにずっと閉じこもっていさせてはくれないらしい」
「もしかしてまた泊りがけで論文書いてたんですか」
「家に帰る時間も勿体ないからね」
「論文制作のほかに査読に、教授会に・・・真面目に働こうと思ったら、多少無理を利かさないとやっていけないよ」
「そんなに忙しくて大丈夫なんですか。ご飯、ちゃんと食べれてます?」
「仕事の合間をみてさっと食べているよ」
「眠るのは?」
「たまに仮眠をとりながら作業を・・・」
「もう。そういう生活続けてたらいつか体調崩しちゃいますよ」
「心配しないでくれ。どこまでが自分の限界かは分かるつもりだから」
「限界がきてからじゃ遅いですって」
「俺のことより、植原くんは最近どうなんだ。体の方は・・・」
「ああ、このところ調子がいいんです。発作もほとんど起こってないですし」
「授業にはちゃんと出られているのか」
「はい。がんばってますよ。休んでた時の分を取り返さないといけませんから」
「あんまり無理はしないようにな」
「あはは。それ、そっくりそのまま多賀さんにも言われました」
「二人とも心配性ですよね。僕はほら、この通り元気ですから」
「それに先生の講義だけは全部ちゃんと出たいんです」
「俺が言うのもなんだが、あれはそんなに面白いものじゃないだろう」
「そうかなあ。僕はすごく面白いですよ」
「変数の神秘?人知を超えた宇宙空間?うまく言えないですけど、ロマンがあると思うんです」
「・・・植原くんは変わってるね」
「僕が変わってるなら、研究室のメンバー全員が変わり者になっちゃいますよ。先生も含めてね」
「そうか。そうだな。俺と一緒にするのはちょっと失礼だったか」
「謝らないでくださいよ」
「研究室といえば、最近氷川くんを見てないな」
「僕もしばらく会えてませんね。また家の事情かなにかで来られなくなってるんでしょうか」
「彼のことだから授業の方は問題ないだろうけど、こう長く顔を見ていないと不安になってくるよ」
「そうですね。・・・このごろチームが全員揃うこともなくなっちゃいましたね」
「親睦会とか、旅行とか、いろいろ計画してたものもあったのになあ」
「みんなが落ち着いた時にやればいいさ」
「先生も参加してくれますよね」
「・・・たとえば、旅行ってどんな?」
「一泊二日スキー旅行とか考えてるんですけど、どうですか」
「それなら俺は行けないな。足手まといになるから。もっと運動音痴に優しい内容にしてくれ」
「ええっ。うーん・・・」
「うわっ?ぼ、僕行きますね。あとでまた来ます!」
「分かったよ」
走っていく彼を見送った後、反対方向に歩き出す。
(この仕様書を提出したら論文の続きを・・・講義の準備もまだだったな)
「先生」

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10/23(Tue) 23:45
1

「俺なんか行っても行かなくても一緒です。先生だって気も留めないですよ」
「そんなことない。先生は学生シンポジウムの時に出たときから星川君に目をつけていたと言っていたよ」
「わけないでしょ。あれなんて俺は一応チームに居ただけってぐらいのもんで・・・」
「謙遜するなよ」
「すみません。急ぐ話じゃないならあとで。俺今片づけなきゃなんない仕事があるんですよ」
「ああ、ごめんね。それじゃ後で」
(来なくていいんだよ)
「ついでに。君の退所についてだけど」
「!」
「僕は反対だからね」
「所長が話したんですか」
質問には答えず、井波はすたすたと歩いて自分の研究部へと戻る。
出て行った扉が閉まった瞬間、机を思いきり殴りつけた。
「くっそ。くっそ、くそ」
本当はなにか言い返してやりたい。だけどそれはできない。
あいつは客員研究員。文字通り「お客さま」なんだ。
「また井波になにか言われてたみたいだな」
「見てたんなら助けに入るとか、なんとかしてくれよ」
「いやあ、傍から見るぶんにはけっこう面白くてな」
「・・・・」
「えっと、悪かったよ」
「毎日毎日、仕事中にたびたびちょっかい出されてみろよ。ストレスでおかしくなっちまう」
「俺がお前になにかしたかってンだよ!あの野郎」
「うんうん」
「なんでよりによって俺が入所したのと同じ時期にあいつがきやがったんだ」
「どうせ病院から出るんなら海外の研究所にでも行っちまえばいいのによ」
「うんうん」
「真剣に聞いてんのか?」
「まあまあ。俺にはよくわかんないけどさ、井波がお前にかまうのはお前が大人しくしないのが気に入らないからじゃないのか」
「大学病院の先生としてはちゃんと全員をしめておきたいんだろ。プライドが高いのさ」
「あいつがそんなくだらないこと気にするようには思えない」
「なんだよ。嫌い嫌い言ってたくせに今度はかばうのか」
「そういうことじゃない。ただ井波が俺を監視するのはなにか違う理由があると思うんだよ」
「監視って、そりゃ考えすぎだろ」
「そう言ったっておおげさじゃない。あいつ、俺の行動すべてを警戒してるというか」
「星川。お前そうとう疲れてるみたいだな」
「真剣に話してるんだよ!」
「井波は異常だ。何が目的かはわからないけど、とにかくあいつは・・・」
「・・・・」
「悪い。変な話聞かせたな」
「いや。俺こそ茶化したりして悪かった。かなり追いつめられてたみたいだな」
「お前がここを辞めるって話、あいつにばれたのか」
「なんで知ってるんだ」
「星川たちが話すのを覗いてた時、お前がいきなり驚いた顔してたからな」
「もしかしてと思ったのさ」
「ああ、知られてたよ。所長だろうな。言洩らしたのは」
「大方お前を説得してここに留めさせるように言われたんだろう」
「今更遅いんだよ」
「もうずっと考えてたことなんだ。所長も井波も、あいつらがどう言おうと関係ない」
「個人的なこと言わせてもらうなら、俺もお前には辞めてほしくないんだけどな。話し相手がいなくなっちまうよ」
「まじめに仕事してろよ」
「やる時にはやってるからいいんだよ。お前はいいの。愚痴こぼす相手がいなくなっても」
「ああ。ここの上司から離れられたらストレスも無くなるだろうからな」
「あっはっは。ひでぇな」
「なあ、深谷。お前はこれからもここで――」
「少しいいかな」
「・・・・」
「あっ。ああ、じゃあ、俺は戻るから」
「深谷くんもいてくれていいよ。僕の用事はすぐ終わるから」
「いや、何度もおじゃまして悪いね。昨日見せてもらった高血圧ラットの実験レポートのことでちょっとね」
「俺、資料室に行かなきゃならないんで」
「あれ。さっきまでおしゃべりしてたじゃないか」
「失礼します」
「あそこまで嫌わなくっていいじゃないか。ねえ、深谷くん」

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10/04(Thu) 02:12
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「おーい、江尻くん」
「は、はい」
「どうしたの。何か面白いものでも見つけた?」
「や、あの、ちょっと」
「あんまり物をいじらない方がいいよ。他の職員にばれたら大変だから」
「すみません」
「大丈夫、大丈夫。もうちょっと待っててね」
「・・・・」

「ああ、やっと合った」
「江尻くん、ほら、きみの部屋の鍵」
「あっ、ありがとうございます」
「東側の隅の部屋だね。階段を降りてすぐのところだから。こっちだよ」


「たくさん部屋があるんですね」
「入院専門の施設だからね。でもほとんどは使われてないよ」
「俺以外に誰か人は?」
「今のところ江尻君だけだよ。他の人たちもそろそろ来るんじゃないかな」
(他の人・・・
「あっ、いけない。まずきみに規則書と施設の地図を渡さないといけないんだった」
「事務室まで取りにいってくるよ。部屋の中で待ってて」
「はい」
「・・・・」
(綺麗な部屋だな。しかも個室。ホテルみたいだ)
(もっとすたれた病室みたいなところを想像してたんだけど)
(これから一週間ここで過ごすのか。ちょっと楽しみになってきたかも)
「ようし。まずは荷物をちゃちゃっと片づけてしまおう」

 ・ ・ ・

「ふぅ〜」
(服、タオル、教科書、パソコン。だいたい整理し終わったかな)

【SE】何かを投げる音 ガチャ

「?」
「永野さん、戻ってきたんですか」
(あれ、誰もいない?)

【SE】階段を登る足音

(階段・・・二階か)

「あのう、だれか・・・あっ?」
「び、びっくりした。あの、もしかして治験の参加者さんですか」
「それだったら俺もいっしょ・・・」
「・・・・」
「し、職員のひとでしたか」
「」
「はひ」

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10/03(Wed) 15:44
1
1

「おーい、涼くん」
「あっ、はい」
「どうしたの。何か面白いものでも見つけた?」
「や、あの、ちょっと」
「あんまり物をいじらない方がいいよ。他の職員にばれたら大変だから」
「すみません」
「大丈夫、大丈夫。あとちょっと待っててね」
「うーん、どのカードだったかな・・・」
「・・・・」

「ああ、やっと合った」
「涼君、ほら、きみの部屋の鍵」
「ありがとうございます」

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