全国大会〜
□第三十五話
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「……ん?」
時間潰しに、ジュースを買いに行ったとき
自販機のボタンを押そうとした時に頭に冷たいものが落ちてきた
なにかと思って見上げると、真っ黒い雲が空を覆っていた
「…雨、か……」
手のひらの上に落ちてくる水滴に、これからの天気が容易に予想できる
手早く飲み物を買って、屋根のあるところに座った
試合会場から少し離れたそこでも、氷帝コールは聞こえてくる
「…一雨くるな…」
段々と怪しくなる雲行きと
時折聞こえる雷の音
降っている雨も、小降りからどんどん本降りになっている
雨が降る前の湿っぽい空気に、顔をしかめた
「一時停止試合かな…」
本降りになってきた雨と
連発される雷
こんな天気じゃ、ろくな試合はできないだろう
グリップは滑るし、球は重くなるしなにより動きにくい
「……どうなったかなー…」
一時停止試合なら
あと一日確実に景吾と居れる時間が長くなる
それと同時に、この不安と戦う時間も長くなる
「…意地悪だなぁ、神様は」
バチがあたらないことを願って
神様に悪態をついた
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