原稿
□君を…失いたくない
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恐怖、孤独…
苦しみ、悲しみ。
それら[負]の感情をこの時、始めて感じたのかもしれない。
気がつくと神田は何もない。本当の[無]の世界に一人ポツンと立っていた。
(此処は…何処だ…)
辺りを見回しても、見えるのは何処までも続く白の世界。
すると…その白が雪へと変わり、見覚えのある光景に変わった。
神田はボロボロで、息が荒くなり、かなりの重傷を負っていた。
「…グッ……ハァハァ……」
(そうか…俺はノアのヤロウと)
ふざけた内装と、崩れ行く建物…出口へ向かわなくてはいけない…そう思うが体が動かない…。
(ココでくちるのか…まぁ、それでもいいだろう…)
神田は不気味な笑みを溢し…崩れ行く瓦礫の中に消えていった。