原稿
□Bad end
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「えっと奇怪現象が起きてるのはこの辺さ。」
大きな岩が立ち並ぶ場所に俺達はいた。
イノセンスはこの岩の中に紛れて奇怪現象を引き起こしてるようだ。
もちろんAKUMAもこれを狙っている。
今は姿が見えないが、いないとも限らない。
俺は周りを警戒しながら、イノセンスを探した。
「あったさユウ」
ラビの方を見ると、俺に向かって高だかと輝くイノセンスを掲げていた。
安堵のため息が出たのもつかの間、ラビの背後に黒い影が現れた。
「ラビ後ろ」
俺はラビの方へ走った。
(クソッ…間に合わねぇ)
「ラビ伏せろ…界虫一幻」
界虫の群れがなんとか間に合ったものの、ラビが起き上がらない。
ヘラヘラと「危なかったさ」なんて口にすると思っていた俺は、額に変な汗が溜るのを感じた。
「ラビ…?」
駆け付けると出血して息の上がっているラビが横たえていた。
「…ラビ…おいラビ」
座り込みラビの上半身を持ち上げ膝に置いた。
「…ユウ…ごめん…AKUMAの弾丸受けちゃった…」
そういったラビの腹には血が溢れていた。