リクエスト小説

□明るい笑顔が俺達だけの…
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「たいよー!」

がらっと病室のドアを開く
天馬がいつものようにお見舞いに来てくれた
本来、俺の部屋には俺だけしかいないけど
今日は天馬より先に来ていたお客さんがいた
剣城京介
お兄さんの優一さんのお見舞いに来ていた所をたまたま廊下であい
こうして時々来てくれる

「剣城、いたんだ…」
「いちゃ悪いか」
「別に、悪くないけど…」

天馬の雰囲気がいつもと違う
けど、その思いは直ぐに消えた
いつもの笑顔が俺に向けて抱きついてきた

「たいよー!」

俺も背中に手を回し、

「てんまー!」

という
すると、いつもは無いはずの背中側から別の温もりを感じた
後ろを向くと剣城君が無表情で俺をじっと見つめていた

「剣城! 太陽は俺のだから抱きついちゃだめ!」
「こいつがお前のモンていつ決まったんだよ」

俺を挟んで俺を奪い合う口げんかがスタート
やめてほしいし、その間なにをしてればいいかわからない…

「ねぇ、太陽! 太陽は俺と剣城、どっちがスキ?」
「えぇ!?」
「俺だよな?いつも頭なでると『もっと』ってオネダリするもんなぁ?」
「俺はいつもぎゅうってするよね!太陽もぎゅうってしてくれるもん!」
「っは それは仕方なくだろ」
「剣城のだって仕方なくなんじゃないのか!?」

今度は火花が散り始める
ばちばちって 本当に音がなってるみたいだ

「太陽 俺が太陽の一番だよね?」
「雨宮 俺だよな?」

「あ、えっと…」

「二人が好きだよ」
この答えに納得するまで5時間かかった

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