イナゴ

□もしも死んでも、君に尽くすと誓います
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悪逆非道、我が侭、命の無駄遣い
国民からは、今の黄ノ国について
ブーイングの嵐がきている
いつからだろう…
…嗚呼、そうだ
京介が黄ノ国の王子となってからだ…
京介は国民から「悪ノ王子」と呼ばれていた
京介が3,4歳の頃
亡くなってしまった 国王様と王妃様
また、京介の兄の優一様も…
皆、病死となって 次々と死んでいった
唯一、生き残った京介は、黄ノ国の王子となったんだ
俺(天馬)と京介は幼馴染
俺は決して、上の地位の人間ではなかった
もっともっと下の…
今、苦しんでいる国民の地位にたっていた
しかし、どういう訳か
王宮兵士をしていた父さんのおかげで
城への出入りが許可されたのだ
城へ出入りしていく内に
京介の仲は次第に深まり、
いいトコ悪いトコ すべてが分かるようになった
天「京介…」
京「天馬 何度いったら分かる?俺は王子だ 様付しろ 後、敬語」
天「……はい」
俺と京介がもっと大人になった頃
京介の性格は急にかわった
あの頃の優しい口調は消え、
ただの悪の塊となってしまった
俺は京介がスキだった
友人としてではなく
一人の男の子として
…あれ、おかしいな…
俺は男なのに…
なんで男の京介がスキなんだろう?
何度も思ったけど、
その答えは分からないまま
京介への愛が深まっていった
今、こんな「悪の塊」と化した京介だけど
それでも好きだ
大好きだ
京介が幸せならそれでいいと思う
だけど、俺だって
たまには、昔みたいに、
「京介」って
ため口で、
話したいなって思う…
蘭「天馬」
天「あ、蘭丸さん」
王宮の間(京介が一日中いる部屋)の出入り口で、
占い師の蘭丸さんが手まねきをしている
俺はちかよる
良く当たる占い師で、ミライまでもが見える
スゴイ
その占い 外れた事がないんだって
天「どうかしたんですか?」
遠くでは分からなかったけど、
近くに来ると 若干青ざめ、気持ち悪そうな顔をしている
病気だろうか?
蘭「天馬 聞いてくれ」
天「はい?」
蘭「これから言う事は、黄ノ国に起こる事だ」
天「は、はい!」
真剣な顔をする
いつもはおちゃらけている蘭丸さんだけど
マジな時はホントマジな顔をする
それほど重要な事みたいだ…
蘭「黄ノ国はな…」
天「…」
思わず空唾を飲みこんだ
蘭「一週間もたたないうちに、滅ぶぞ」
天「…え」


京「戻ったか 蘭丸、なんていってた?」
俺が戻ると
話していたことを聞きたがる京介
なるべくいいたくない
けど、いわなければならない
これから起こる
黄ノ国滅亡戦争の元は…
京介なんだから…
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