イナゴ

□期待、裏切ってはダメですよ?
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倉「あ、南沢先輩…」
時々校内で会う 南沢先輩
サッカー部のマネージャーで
男子にも人気が高く
いつもいいの匂いがする
南「あ、倉間…」
一つだけ残念なのは少しエロい所
南「今日4時間授業休部だよね?かえったらヒマ?家来る?」
俺をぎゅっと抱きしめて、頭を撫でて言う
俺と先輩の身長差都合上
俺の顔がちょうど南沢先輩のふっくらとした胸に当たる
それは本人にも分かって居るはずなのだが…
この抱きしめをやめようとはしない
…いや、先輩には彼氏がいるはずだ
人気がスゴイ
告白もスゴイだろう、絶対に、
なのに、俺に何故こんな事をするのか まるで分からない
わざと俺に襲わせようとしたり
家によってけって言って、一晩過ごさせたり
ホント 家に泊まらせてもらった時は大変だった
同じ屋根の下、同じ部屋で寝るのもホント大変
なかなか寝付けなかったけど うとうとし始めて、急にぎゅっと背後から抱きついてくる
それもなかなか離そうともせず、むしろ強く抱く
やはり、南沢先輩の胸が俺の背中にあたって 目の下には隅が出来る始末だ
倉「…今日、俺用事あるんで…」
南沢先輩の彼氏には可哀そうな事は出来ない
南沢先輩にもだ
もし こんな場面を彼氏サンに見られたりでもしたら 浮気者扱いだ
お互い、そんな気もまったくないとは思うけど…
南「嘘… 倉間、水曜日と金曜日はいっつもヒマだよ?」
倉「で、でも… 急用で…」
南「どんな?」
倉「家族で出かけるんで…」
南「また嘘ついた… 今、倉間の家にはお義父さんもお義母さんもいないでしょ?お仕事で…」
何故、俺の家についてそんなに知っているか分からない
父さんと母さんが出張という事は誰にもいっていない
…いやいやいや その前にだ
『お父さん』と『お母さん』の字が違うだろ!何なんだソレ! もう結婚後の呼び方じゃねぇか!!
南「兄弟姉妹は居ないし… 大丈夫でしょ?」
倉「は、浜野と速水とでかけ…」
南「…浜野と速水は釣りに行くって言ってたけどなぁ?」
倉「お、俺も!」
南「付添人は、霧野と神童…のみ」
ああ、かなわねぇ
この人には、かなわねぇな…
俺を家に入れるのには 色んなヤツに聞き込み、どんな事をしても、入れるつもりなんだな…
彼氏サンとデートとか…
ないのかなぁ…
倉「ま、参りました…」
と、言う すると 小さく「やった」て声が聞こえて
南「じゃあ、放課後 また会おうね」
と言って 三階へ消えてしまう
倉「…」
俺の頭は 真っ白だった


倉「うっわ 南沢先輩の部屋…」
前来た時とは少し変わっていた
家具の移動は無く
ベッドカバーとか枕カバーとかカーテンとか変わってて
後、スゴイ いい香りが…
南沢先輩からいつもするあの匂いとはまた別のにおい…
ちょっと俺変態じゃん…
って、思う 自分でも思う
倉「…」
けど、なんでエアコンついてるかなぁ… って思う
俺と南沢先輩、二人でそのまま帰って来たのに…
その疑問はすぐに消え 朝から付けていた という答えが浮かび上がった
それを思うと 少し肌寒く感じた
倉「…あ」
部屋を見渡すと 机の上にはある写真が飾られていた
いつこんなの撮ったのか…
そこには爆睡中の俺とその横で無表情にピースをしている南沢先輩がいた
俺は近づき それを伏せる
こんな趣味悪ィ物を飾るんだな って思う
南「勝手に人の物 触っちゃダメでしょ?」
ぎゅっ と抱きつく
また写真を起こす
倉「いや、人の寝顔を取って飾るって あんたどーゆー性格してるんスか」
南「可愛かったからねぇ」
倉「はぁ」
俺はクッションに座る
すると、近くに南沢先輩が座る
倉「せ、先輩…」
南「何?」
倉「その、俺が先輩の家に来て 彼氏サンに悪いと思うんですけど…」
言うと 南沢先輩はぽかんと口をあける
南「倉間?なぁに言っちゃってるの?」
と言う
それに俺は、
倉「は?」
南「私には、彼氏なんていないよ?」
と言う
倉「え、えぇ!? う、嘘だ!嘘つき!」
南「先輩を嘘つき呼ばわり?」
倉「い、いや… えっと…」
南「…あ、倉間 鳥肌たってる…」
みると たしかに 俺の肌は鳥肌がたっていた
温度何度だよ 寒い!
少しブルブル震える
南「寒い?」
倉「はい」
温度調整をしてくれるかと思いきや 俺を姫抱っこして そのままベッドへダイブ
逃げないようにして 掛布団をかぶる
南「コレで寒くないねぇ♪」
倉「せ、先輩!?」
思春期の男子にそんな事しては!
と、思う
だって、俺、男だぞ?
男に部屋を入れるなんて…
ホントそりゃあ
しかも、家には誰もいないっていうし…
それは、襲ってくれといっているようなモンだ
南「興奮してきた?」
倉「しません」
口をとらがせる
俺はまた逃げようとするが
その前に
足を絡め
手を握り
先輩が俺の胸に顔をうずめる
南「あ〜 これ、ちょっといいかもしれない…」
と、言う
俺の体は自然と赤く、熱くなっていった
南沢先輩と密着してる…
今までは……
まぁ何度かあったけど
それは、部屋が暗い時
夜、寝るとき
真昼間の明るい時間からは抱き合った事がない
つーか、付き合ってもいない男女がやるのは色々アウトな気がするんだよなぁ…
南「あ、私の携帯の待ち受け、見た?」
倉「?いや?」
ふふっ と笑って
枕もとから携帯を出す
携帯はピンク色…
というか そのピンク色すら見せない携帯
俺と南沢先輩のプリクラがびっしり貼られている
それを俺は苦笑い
南「ほらっ」
と、見せてくる待ち受けは
これもいつとったのか
俺が部活動練習の時の写真だった
ちょうどシュートするところ
それを体全体が携帯のディスプレイギリギリは居れるくらいの大きさで
それもデコってあって
ピンクや赤いハートが回りについてたり
黄色いもしで『I♡倉間』と書いてある
倉「…」
期待しちゃうだろ…
と、思う
期待しちゃって、変な誤解招くだろ…
って、思う
南沢先輩の事は好きだ
一人の女性として
たしかに、変な事もあるけど
でも、好きだ 大好きだ
どうしようもなく大好きで
休憩 まっさきに南沢先輩の方へ行く
部活動の楽しみといえば 南沢先輩からタオルと水筒を貰える休憩だったりする
南「倉間の事、大好きよ?」
倉「え///」
南「一人の男の子として、大好き…」
ぎゅう と抱きつく
そして、
南「こーゆー事は、女の人に言わせちゃダメなんだよ?」
という それに俺は、なぜか、
倉「…はい」
南「付き合ってくれる?」
倉「は、はい…」
そして、南沢先輩は俺と目線会わせて…
南「プロポーズは倉間から言ってね?」
倉「……そ、それは…」
南「指輪、待ってるからね^^」
といって きゃはは と笑う
顔真っ赤な倉間かわいい っていう
愛しい人から言われて、怒ろうにも怒れない
南「あれれ?怒れないかな?」
倉「っく…」
俺は悔しげにうめいた
俺の方が男なのになぁ って思った
南「くーらまっ」
倉「え?は、ちょ!」
俺が気付いたときは 遅く
南沢先輩とキス状態
キス、上手いなぁ とぼんやりした頭によぎった
南「これで、典人は私の物だね…」
といって
倉「そ、そうですね…///」
それ以外の言葉が見つからなかった

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