ごった煮
□クマにだって譲れない
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─はぁ、疲れた疲れた疲れた疲れた疲れt
…部活がお昼で終わって良かった
こんなキツい練習やってられない
まぁ大会前だから仕方無いけど
今日は名と
お家デートするはずだったのに
怒ってる、かな…
家に帰って一息ついたら名に電話しよう
ガチャガチャ…
「……?」
鍵が、開いてる…?
僕の不注意…?
いや、近藤校長から
"家の戸締まりはしっかりと!!"
と指摘を受けたのだ
鍵を閉め忘れるわけがない
扉をゆっくりと開いてみる
玄関には…
僕の靴の他に可愛い靴が置いてある
だとすると名ちゃん?
彼女には合鍵を渡したから辻褄が合う
なんだか緊張が走って静かに移動する
…リビングにいないとすると…寝室?
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寝室を開けるとそこには─…
「………すぅ」
名が、寝ていた
大きなクマを大事に抱き寄せて…
途端、自分の肩の力が抜ける
この子は何しに来たんだろう、と呟く
僕は次にクマを見た
もともとは名への誕生日プレゼントだが
名の部屋に置くスペースが無く
結局、僕の家で暮らすクマ
抱きつくクマに
キスをしながら穏やかに寝ている名
僕はクマに強烈なパンチをくらわせ
ベットから床に放り投げる
なんか疲れた…寝よう
名の隣に寝転び
静かに抱き寄せる
ついでに髪と額と頬と唇にキスを贈る
にじみ出るほどの愛情を込めて…
起きたらクマとではなく
総司と寝ていたことに驚く顔を思いながら
ゆっくりと瞳を閉じた─…
◎クマにだって譲れない
あれ、クマが総司に変身した…?
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