蜜雨

□07:その中で
2ページ/5ページ



─…頑として荷物を運ぶのを
譲ってくれなかった彼に
感謝をしつつ私は千鶴ちゃんに
今の詳しい話をする


─────……


「そうなんだ…。ん?あれ?」


一通り話をすると千鶴ちゃんは納得したが
今度は不思議そうな表情をする


「へ?なんか変なところあった?」


「緋那ちゃんは三番組なのに
四国屋じゃなくて池田屋なの?」


「そうなの!!おかしいよね!!
私だけなんだよ?あの鬼め!!
変な配慮しやがって…」


……それは誰がどちらに討ち入りするか
検討していたときのことである

新選組は四国屋で会合が行われると判断し
四国屋に配属した三番組からただ一人
緋那だけを池田屋へ配属させたのだ

敵と彼女との交戦を避けるためだろう

しかもこれを提案したのは土方だ
近藤もそれを承諾し上が決めたこととして
棄却されることは起こらなかった……


私が拗ねてると千鶴ちゃんは
顔を寄せて小さな声で言った


「それって…女の子だからなのかな?」


「真剣を持つ時点で女じゃないっつーの…
…四国屋にかけてるけど、本命が
池田屋だったらどうすんだよな…」



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ