蜜雨

□04:口ずさみ
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「あのー…、雪村さん?」


「はい?...あ もしかして、片桐さん?
初めまして、雪村千鶴と申します。
…それで…片桐さんの部屋を使えって
土方さんから言われたのですが
迷惑だし、邪魔…ですよね…?」


雪村さんは不安気に私にたずねた
思ってた以上に良い子で少し驚く
ここにいる理由は聞けないけど
仲良くなれそう、そんな気がした


「全然!!むしろ大歓迎!!
よろしくね、…千鶴ちゃん」


「ありがとう!…えっと、
緋那ちゃんだよね?斎藤さんから
すごくいい奴だって聞いたよ」


「へ」


「だから私、今まで不安だらけだったけど
緋那ちゃんの話を聞いて
安心することが出来たの」


私ははじめが何を言ったのか分からないが
とりあえず好印象は与えているようだ


「緋那ちゃんは、隊士なの?」


千鶴ちゃんは話の話題を
私の話に変える


「うん。幹部達とも長い付き合いだし、
組長ではないけど個室をもらえるように
隊士よりは格が上にはしてもらってる
…まだまだ、弱いんだけど、ね」


「そうなんだ…隊務にも参加するの?」


「一応三番組に所属してるから
三番組が担当の時はしてるよ」


─それから私たちはたくさんの話をした
幹部の人たちはいい人だとか、
京のあそこの甘味屋が美味しいとか、
今までは唯一の女友達だった
呉服屋の藍ちゃんの話とか…


あまりに盛り上がりすぎて
土方さんに怒られてしまったけれど



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