添い寝
□お前の笑顔で
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「…うっ…ひっく…ううっ」
「…名、いい加減泣き止めよ」
そう言って頭を優しく撫でてくれる彼
…現在、ベットの中で
添い寝されつつ泣いてばかりの私
「だってぇ…ヒロインが
死んじゃうなんて反則だよぉ…うっ」
映画一本見たら寝よう、
そう決めて見た映画の内容は
純愛もので涙をそそるようなものだった
─今までは他人事に思えた内容に
親近感を感じまさか大号泣するとは。
と我ながら驚きつつもその理由は明らかで
「…やだもん」
「…は?」
「土方さんとさよならなんて
そんなの嫌だ!!…もん…」
名の彼氏、土方歳三は
呆れたようなため息と面持ちで
私を強く抱き締めながら言った
「その"土方さん"はやめろ
…下の名前でいいだろ…
それに俺と離れるなんて
そんなことさせねぇから」
「…うん。わかったよ、…トッシー」
「…ふざけるな」
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─その日、夢を見た
たくさんの花びらが舞い散る
桜の木の下でトシと二人でいる夢
ここまでが幸せな夢だった
その夢はそれだけじゃなくて、
…トシの身体が、冷たいのだ。
いくら呼んでも起きてくれなくて
目を開けてくれなくて
「俺ぁ寝ちまったのか」って
冗談を言ってくれなくて
わたしは、わたしは、
彼の名を何度も呼ぶ夢─…
彼と死を繋げたくなくて
ずっと隣にいてほしくて
─トシっ……!!!!
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