添い寝
□離さぬように
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「っあ―――!!!!」
「やった。僕の勝ちだよ名ちゃん
確か…僕が勝ったら僕のお願い叶えて
僕が負けたら僕のお願い叶えるんだよね?」
「それ勝負の必要性ないだろ」
大体こっちが勝つなんて
最初から微塵もなかったんだ…
やり方が分からない、しかも
「お願いを一つ叶える」なんて賭けは
私にプレッシャーと緊張を与えるだけだ
「なんでストリート〇ァイターなの!?
寝下呂企画でしか見たことないのに!!」
※ここで主人公は
リア充とネト充を兼ね揃える
贅沢な人と理解していただきたい
「は?…よくわかんないけど
とりあえずお願い叶えてね」
はああああどうしよう
彼のことだからすごいこと注文してくるよ
土方先生の句集とか
平助の前髪とか
一のおやつ(石田散薬味)とか…
頭を抱えて唸っていると
彼は相変わらずの笑顔で言ってきた
「─じゃあ、添い寝して?」
「あぁ、はいはぃ…ん?え?今なんて?」
「…聞こえなかったの?
だからー、添 い 寝して?」
「…私が?」
「そう」
「誰と?」
「僕以外に誰がいるの?
もし他にいたら殺すよ?」
…なんて、ずるい人なんだ
何の前触れもなく発言された
こっちの気持ちも考えてほしい…
って考えれば考えるほど
心拍も顔の赤みもヤバくなっていく
「…素直になれないとこ、
名のそういうとこたまらなく好きだよ」
ふいに名前だけで呼ばれて
彼女の頭の中の混乱は最高潮
…っやばっ…なんか喋らないと…
「………」
何も出てこないいいいい!!!!
観念した、と思われているのか
総司は満足げな顔をしつつ
名の手を握り、立ち上がらせ
寝室まで連れていく
もちろん、未だ混乱中の私は
なされるがままだった─……
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