ごった煮

□ただ、ただ、
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「ね、そろそろ別れない?」


─高校3年生、冬に近付き始めた頃
放課後の帰り道のこと…

俺は耳を疑った
名の言ってることが
理解出来ているのかが分からない


「…どういうことだ、説明しろ」


本心は聞きたくない
だが…聞かなければならない
心の準備も出来ていないまま
彼女に説明を求めた


「私、はじめとは志望大学が違うでしょ?
そうなれば遠距離になるじゃない?
遠距離恋愛は苦手なの。

…それにね、私見つけたの

…はじめ以上の大切な、人」


「………!?」


─あぁ、そうなのか。
最近彼女の笑顔がぎこちなくて
たまにものすごく悲しい顔をして
なんとなく上の空だったのは…
俺は無理をさせてしまったのか…。


「…そうか、すまなかったな…」


「ううん、全然。
で…別れてくれるかな?」


─彼女とは高校で出会って
クラスが同じだから
委員会や係りを一緒にやったり
テスト前には勉強をしたり
運良く2年生も同じクラスになれたので
修学旅行も彼女と一緒だった

つまり俺の高校3年間のほとんどを
名と共に過ごしてきた

彼女といると心の底から楽しくて
初めて恋というものを知って
すれ違ったりケンカもしたが

やっぱり、名が大好きで。

毎日が輝いていた─……


「…あぁ、……名。
今まで、ありがとう…本当に」


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