ごった煮

□絵画の価値
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こんにちは、はじめの彼女の名です。

…今、何をしているか?愚問ですね。
勿論、はじめ観察ですよ。

今日は全国でもお花見が綺麗とされる
名所でデートをしているのです
あんまり見慣れていないはじめの私服に
少しだけドキドキしつつ
桜を見ているはじめを見ています


「…俺に花びらがひっかかっているのか?」


照れ隠しが下手な彼はそう言いました
どうやら随分と見ていたらしいです
私の中にある彼に対する愛しさが
こみあげてきました


「ううん、綺麗だなって、」


「…?…そうだな、まるで狂い咲きのようだ」


「……主語がなくてごめん。
綺麗って思ったのは、
桜もそうだけど…はじめのことなの」


そしたら、私の予想通り、
彼は眉をひそめて
'なにゆえ'って言ってきた


内心で小さく笑っていると
そういえば、とあることを思い出した


「この前、テレビでやってたんだけど、
偽物って言われていた絵画が実は
有名な画家が描いた本物でね、
33億の値打ちがついたんだよ?
今まで粗末に扱われてた紙ペラが
いきなり33億だよ?
それってすごく素敵だよね

…で、この次が本題なんだけど
狂い咲きの桜の木にたたずむはじめを
画家さんに描いてもらったら
この世で一番美しい絵画になると思うんだ」




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