蜜雨

□08:眠れたら
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一階は未だ戦いが繰り広げられていて火花散る音が聞こえていた
しかしその二階ではむしろ静寂に包まれていて、私たちは緊張と小さな勇気を持ちつつ各部屋を回っていた

すると突然ものすごい刀を撃ち合う音と壁に大きな何かがぶつかる音がした

千鶴ちゃんと無言で目を合わせその部屋へ向かう
総司と平助が大将を撃ち取ったのだ、
私はそんな予感を感じ襖を開けてみると…


「!!?」
「!!へ、平助くん!!」


そこにはなんとも言えない強い圧力をまとった二人の敵が総司と平助を圧倒していた
総司は苦しそうに見えた
そして大きな何かが壁にぶつかった音は壁に投げ飛ばされていた平助だった
平助はその衝撃で気を失っている

平助と対峙した相手は私たちをじっと見つめていた
彼は闘うことに興味がないのか、構えの体勢も既に解いていた
平助のもとへ千鶴ちゃんを行かせても大丈夫だろうと思ったので


「千鶴ちゃん、平助をお願い」


すると千鶴ちゃんは決心した強い瞳でうなずき、彼の元へと向かっていった

そして私は総司と敵の戦いぶりを見ていた
総司はきっと他人に手を出されることは嫌がるだろうから、必要最低限だけ助太刀しようと思った

…あの総司が劣勢より…?

しかも相手はまだ余裕な笑みを浮かべていて本気を出していないように思われた



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