蜜雨

□07:その中で
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「片桐さん!!これはどこに持っていけば…!?」


こんな忙しいのに何だ、と思いながら
振り返れば新米隊士が不安げにな表情


「ん?それは…一度土方さんに
目を通してもらってくれますか?」


分かりました、ありがとうございます!!と
元気良く答えた隊士は土方さんの元へ
走っていった…


「(…若いな…)」


いやそんなこと考えてる場合じゃない、と
また作業に戻ろうとすると…


「緋那ちゃん!!ねぇ、何かあったの!?
どうしてこんなに慌ただしいの!?」


千鶴ちゃんが呼び止めた
それは状況が把握できなくて
あたふたしている様子だった

額に汗を浮かばせながら、
私は急ぎめに答える


「あのね、これから討ち入りなんだ!!
二つに一つが選べなくて
池田屋と四国屋に同時に討ち入り
するんだけどね…
でさー聞いてよ千鶴ちゃ」


緋那が千鶴に事情を話していると
こつん、と誰かの手が頭に乗った


「緋那、今は愚痴を
話してるときじゃねぇだろ?」


「さ、左之さん!!ごめん!!
じゃあ、またあとで詳しい話をするね?
千鶴ちゃん…もしかして、今、暇?」


「うん。お手伝い出来ることあるかな?」


じゃあこれを一緒に運んでもらおう、と
お願いしようとしたら


「俺がいるのに千鶴に頼むのか?
……それは俺に任せろよ」



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