蜜雨

□03:遠くの
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─パシンッ パシンッ

今日も今日とて剣術に磨きをかける日々

緋那はただひたすら
素振りをしていた。そんなとき…


「ねぇ緋那ちゃん、
これから僕と勝負しない?」


─性格はどうであれ、彼は
一番組の組長だ。…性格はどうであれ。
そして新撰組の一、二を争うほどに強い。
めったにない誘いに対し
断るはずがなかった


「うんやる!!」


(勝敗はどうであれ、せめて
食らいつけるぐらいにならないと)


─────……


「…うん。君が敵だったら
8回ぐらい殺されてるね。」


「悔しい」


気合い入れたのにな、と
反省していると


「それに君、剣に対して
真っ向から向き合ってる?
今日…いや最近かな、
剣筋が緋那ちゃんらしくないよ
なんか稽古中も違うこと考えてる?」


「……!!」


確かに、そうかもしれない

あの夢を見てから私は少し
いつも通りが分からなくなって
ぎこちない生活をしていた

それもこれも全て私が─…


「図星っぽいね
…彼も機嫌が悪くて困るから
早く君らしさを取り戻してね」


「……彼?」


聞き返したのだが総司は
すでにこちらに後ろ姿から
手をひらひらさせていた


(私らしさ、か…)


.
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