中編

□私は彼
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好きになった人がいる。

初恋とかそんな綺麗な物ではない。
恋人とかそんな甘いものでもない。

そもそも好きになる確率がとても少なくて。
あちらが好きになってくれる確率はもっと少ないだろう。

そんな人を好きになった。

「(何だ、これは…)」
オレンジ色になるはずのその液体は派手なピンク色をしている。
魔法薬の居残り。放課後で皆が好きな事をしている自由なその時間。
私は地下の薄暗い部屋で1人きり。先生にも見捨てられたのかやっぱり一人きり。

もういいや。
だって何回やっても出来ないもん。
もう片付けようかな。

溜息をつきながら杖を取った。
レイブンクローの落ちこぼれ。
それが私、菊花である。

そんな私を彼が好きになってくれる訳ない。
大体彼は私の事知ってるかどうかすら怪しいものだ。

魔法薬の教室の扉の開く音が聞こえた。
振り向くとそこには私の想い人…レギュラスくんが居た。
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