中編

□A
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良かった。ズボンはけて。
ずっとパンツ丸出しだったらどうしようかと思った。
本当に良かった…裾を何度も折ったスラックスを私ははいている。
シリウスくんのは大きすぎるのでレギュラスくんのを借りた。
…さて、ふりだしに戻った。どうすればいいんだろう。

黙ってるブラック兄弟。
とりあえず布団を返した私は床に座って二人を見た。
…かっこいいなぁ。大人っぽい。素敵だなぁ…。
外国人ってだけで一種のステータスになるよね。

こんこんとノックされた後、扉がきぃと動いた。
びくりとはねたレギュラスくんが扉に突撃した。

「坊ちゃま…」
しわがれた声が扉の向こうから聞こえた。
ずがん、と嫌な音がして扉が閉まる。すごい勢いの突撃だった。

「クリーチャー!下がれ!」
クリーチャー…さん。使用人だろうか。

「ヴァルブルガ様がお呼びでございます」
「すぐに行くから君は下がってくれ!」
しかし、とかでも、とかクリーチャーさんが声を出す。
その度に上手い具合にレギュラスくんが言葉を返した。
…そうか、私、他の人に見られたら危ないよね。
見ず知らずの異国の人がいたらびっくりだよね。
まぁ、ブラック兄弟もびっくりしてるし私もびっくりしてるんだけど。
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