中編

□04
1ページ/4ページ

「私の顔はそう悪くないし頭だって良い。
人望もあればクィディッチなんて楽すぎて死ねるくらいだ」
きもい、と鋭い声が隣から聞こえたが無視をする。
最近ようやく仲良くなれたと思ったヴァルブルガだ。
仲良くなれたと言っても彼女は時々私を毛虫でも見るような目で見る。
ただ、汚物を見るようなあの目つきからは格段に良くなったと言えるだろう。
でも、彼女にそんな顔をされるとやはり良い気持ちはしないのでオリオンを足を踏んづけた。

「ん、くっ」
小指を踏まれた彼の押し殺した色っぽい声が小さく聞こえた。
止めろ、誰かに勘違いされたら困る。は、と短く息をつく彼を睨んだ。
正面にいたシグナス(私達がソファにいるから彼は何故か暖炉の前に立っていることになる)がハッとする。
こんなところで何やってるんだ、と恥ずかしそうに顔を赤らめたシグナスが私にぼそぼそと言った。
足を踏みつけただけだ、誤解をするな、と言うとますます彼の顔は赤く染まった。
そ、そんな!いやらしい!不潔だ!と叫ぶと彼は自室に向かって逃げるように走ってしまった。
全く意味が分からない。

後でヴァルブルガが少し落ち込んだ顔で私に謝っていたので許そう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ