中編

□02
1ページ/5ページ

そういえば私は天才だけれど、これからどうするんだろう。
魔法省に入る?それとも教師?マグルの世界に戻って…ああ、これはないか。

ソファに座って取り留めの無い事を考え続けたせいだろう。
尻が痛い。思わず小さな声でそうもらすと隣に、いつの間にか隣にオリオンがいた。
何で、と問いかける彼にこいつ一体何処から現れたんだ、と思ってしまった。
うげ、と声が出ると傷ついた、と彼はおどけていた。

「オリオン!」
途端に辺りを裂く様な声が響く。
彼の婚約者…ヴァルブルガだ。
ひどく不機嫌そうな声と顔で私をちらりと見てから攫うようにオリオンを連れて消える。
尻が痛い。もっとソファはふわふわにするべきだ。
後、地下室は寒い。雰囲気が寒い。何でこんな所に私の寮が…
あ、じゃんけんで負けたからか。憎らしいゴドリックめ。はげろ。

「何やってんの」
何をやっているかと聞かれれば尻の痛みに耐えているところだ。
ただ、自分が今女性である事を思い出し、いや、ちょっとね、と言葉を濁した。
聞いてきたのはリドルだ。私の子孫らしい。
その証拠というか、彼は蛇語を話す。
私がサラザールだった、という事は伝えてない。
オリオンが今まで座っていた場所に彼は座った。
何だろう、私に何か用なのか。杞憂だったらしく彼は無言だった。
それにしても可愛くない。私の子孫ならもっと可愛いだろうに。何てことだ。
じっと見つめていたせいかリドルが本から顔を上げて私を見た。
何か用、と聞かれるので首を横に振った。
見ぼれるのも程ほどにね、なんていうので殴りたくなったが止めた。
これでも彼は私の孫だ。曾々々々々々々孫くらいか。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ