中編

□記憶
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11の時、ホグワーツから入学許可書が届いた。
自分が魔法使いだなんて思いもしなかったからとても驚いたし嬉しかった。

そしてホグワーツへと一歩足を踏み入れた瞬間に私は目が覚めた。
今まで眠っていたのかと聞かれればそれは確かに違う。
私としての記憶も感動も思い出もあるのだから絶対に違う。

けれど、本当に目が覚めたのだ。
それ以外の言葉が見つからない。
もし強いて、あえて言うのであれば思い出したとでも言おうか。

私はサラザール・スリザリンだった。
彼の、いや、私として彼の記憶があるのだ。
おかしな物言いだけれど本当の事だから仕方ない。
男だった事を思い出すと、今自分が女性である事がひどく億劫に思えた。

寮は当然ながらスリザリン。
入るものを選ぶ寮。
マグル生まれの女の子として自分がこの寮に足を踏み入れるなんて。
少し不思議な気がしたけれど仕方ない。

これから私は私が作った学校に生徒として入るんだ。
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