短編

□パンツから
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「本当に、此度の事は、申し訳ないと思っているでございます」
私の目の前には城内でも有名な生徒がいる。
スリザリンの生徒だが、その人気はまぁ、とてもすごいんだよ、うなぎがのぼるように。
うなぎのぼりのように?よく分からないけどすごいんだよ。
うまい例えは思いつかないけど、そのハンサム顔と頭の良さと、後は何かと何かで総合してとても有名な訳である。
トム・リドルという人物は。

「あの、ごめんなさい。本当に、あれがあの、これなんで」
私は動揺している。
動揺しているという事をはっきりわかってるならもうそれは動揺じゃないんじゃないだろうかという意見もありそうだが動揺している。
事の初めはさっきだ。友人と階段で歩きながらふざけていた。
ホグワーツの階段は動く、というのが常識で。ふらついて転びそうになった。
転びそうになったら何か掴もうとするものだ。助かろうと。
そして私が掴みかかったのはあろう事か男子生徒で。
その男子生徒のズボンを引っ掴んで前倒れに転んだのでズボンは脱げた訳だ。お気の毒に。
その男子生徒がスリザリンの、リドルだった訳であるのだ。
残念ながらパンツの柄は覚えてない。私の友人、ふざけあっていた友人ならば覚えているかもしれない。
後で聞いてみるといいかもしれないけどそんな事したら私はもうねずみの餌みたいな存在になるから聞かない。

「別に、」
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