短編

□おひるね
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自分の子供時代なんて思い出したくないけど。
比べる相手がいないのでよく分からないけど多分人並み以下だった。

両親がいなくて、
まぁ、母に捨てられたって事も分かったんだけど。
孤児院だって楽しくなかった。
周りの人とも合わなかったし。

だから、人並み以下だった…と思う。
やっぱり比べる相手もいないし比べたいとも思わないのでよく分からないけど。

「ママ、ママ、あのねー」
好きな人と結婚をして子供もいて。
多分、これが人並みなんだろうけど。
とても幸せだと思う。
口に出して言うなんて無理だけど。

窓の向こうで子供達が楽しそうに騒いではしゃいで遊んでる。
それを家の中でぼんやりと見守って時折笑ったりするレイラ。

「…ねぇ」
ふ、とこちらに彼女の目が向く。

「暑いんだけど」
そう言うとレイラはふぅん、とそれだけ。

「あ、アイスあるよ。チョコの…食べても良いから」
そうじゃなくて。
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