短編

□教えて
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「ねぇ、貴方ってリドルの何処が好きなの?」
部屋で1人だったはずなのに。ああ、ナギニが居たっけ。
ほぼ全裸に近い少女が私の傍にいた。
大きな瞳の色白で眉の無い顔がちょこんと私の膝に乗せられた。
短いスカートの丈から見える細い太ももにどうも目が行ってしまう。

「あー…あー…貴方はナギニ?」
ようやく声が出た。
こくりと彼女が頷いた…確かにナギニといわれれば納得がいく。
さっきから大きな口からちらちら覗く人より長い赤い舌とか。
妙に短い手足なのだとか。ああ、蛇だったからね、そう。
人間になれる魔法薬か魔法をかけられたのか。まぁ、いいや。
多分元に戻るだろうしね。

「ねぇ、答えてよ。答えてくれないなら噛み付くよ」
むっとした少女(ナギニ)が私を見つめた。
大きな口をあけると鋭い吸血鬼みたいな牙があるのが見えた。
小さな長い赤い舌が妙にいやらしく見えてしまう。

「えーと…ああ、なんて質問だったっけ?」
不機嫌そうな表情のままナギニがもう一度私に先ほどと同じ問いかけをした。
…なんて恥ずかしい事を聞くんだろう。傍にトムがいなくて良かった。
何処が、好き、かぁ…。
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