□帝王に愛を伝えにゆく
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12月31日

一つの年が死ぬ時。
体の中身が全部凍りつきそうなそんな時期だ。
ろくな思い出はない。他人から見れば何がある訳でもない1日だと思う。
僕が生まれたのは。

クリスマス休暇が始まって数日。
いつもこの時期は学校に残ってる人が少ない。
特にスリザリンは周りと比べても一段とそうだ。
魔法界に居たい。孤児院に戻りたくない。
そんな気持ちを中心として僕は毎年残ってる。
静まり返った城内に一人で。

図書室へと向う為に肌寒い廊下を歩いてる。
宿題は既に終わらせている。それに周りに鬱陶しく纏わりついてくる連中はいない。
こういう時間にこそ勉学に励むべきだと思う。
集中できるし城内も静かだし。
自分の足音がやけに響く。
いつもどんな時だって騒がしい廊下は驚くぐらい静まってる。

「リドルさん!」
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