□愛してる
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「君がいると僕はおかしくなる」
杖先を私に向ける彼は驚くくらい無表情だった。
(僕の顔を見つめる彼女は驚くくらい無表情だ)

「…殺すの?」
頷く彼に私は殺されるそうだ。少しだけ、背筋がぞくりとした。
(少しだけ、表情を歪める彼女に見てると恍惚する)

「殺したいな」
その声はいつもと同じ優しいリドルの声だった。
(君にはいつだって本当の僕を見せてるよ)

「私を殺してリドルは楽になるの?何か変わるの?」
怖い、と思っている筈なのに頭は冷静だった。焦っていない。
(彼女は僕を怖いと思ってるんだろうか。思ってれば良いのに)

「ううん、きっと僕は君を殺したら後悔すると思うよ」
言いながら彼は杖を握りなおした。
(言いながら僕は杖を握りなおす)

「動かなくなった君を見てとても嘆くと思う。もしかしたら泣くかもしれないね」
微笑む彼はいつも同じ。言ってる事だけがいつもより物騒だ。
(嘘をついてた訳じゃなくてただ言わなかっただけ)

「君をどうして殺してしまったんだろうって。愛しているのに何故手にかけてしまったんだろうって」
泣くかもしれないね、と彼が言った。
(笑いながら言う僕は何処かおかしい)

「ねぇ、」

永遠に愛してるから
 

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