□ゆらめき
1ページ/1ページ

忘れてくれて良い。
忘れてくれ。
これから話す事は実にくだらなく馬鹿げている事だから。


いくら頑張っても彼らはそれが普通だと言う。
当たり前なんだとそう言って笑っている。

この世界に生まれて、
大きくなって恋をして、
一緒の時間を過ごす事を、

彼らは当然だと言うんだ。

「(ああ、)」

愛した人の死を知っても上手く理解できなくて、
死んだのか、と一言だけ呟いただけだった。

人が死んでも世界は回ってる。
きっとあのお店は明日も開くだろうし、
あのアニメも変わらず放送される。
鳥の歌声は変わらずに、
この世界は回り続けるんだろう。

きっと誰も彼もいなくなっても、
世界は変わらず回るんだろう。

「(そうか、)」

だから、だろう。
彼は、リドルは、ヴォルデモートは寂しかったんだろう。

答えなんて知らない。
永遠に分からない。

勝手な私の妄想空想幻想。
死んでしまった貴方にはもう聞けないので。
今日も妄想空想、幻想を。

けれど、
私は生きているので、

今晩のおかずを考えなければいけないのだ。

Lambency
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ