□すきスキ大好き!
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顔を合わせるたびに私は言う。

「すき」
朝でも夜でも昼間でも
勉強してる授業中でも
廊下ですれ違っただけでも

「レギュラス、好き」
何度でも私は言ってる。

私からの愛の言葉を受けてる彼の反応は、
「…そうですか」
随分薄い。紙よりもきっと薄いと思う。

「そうですか、じゃなくて何か返してくれたって良いのに」
少し走ってレギュラスの傍に駆け寄る。
足早に歩く彼は私に歩調を合わせてなんてくれない。
いつもの様な無表情でレギュラスが見下ろしてる。

「それはどうでも良いですけど…何でですか?」
何だか綺麗に私の言葉は無視されたけど、問いには答えなくちゃいけない。
何で好きって言うのか、って質問なんだろう。多分合ってる。

「何でって、好きだからだよ」
だから言葉にしているだけ。
誰かさんと違って私は素直なの。

「でも、顔を合わせる度言うでしょう?」
私を見下ろしたまま彼がそう続ける。
彼に置いていかれないように足早に歩く私を。

「頻繁に言わないとレギュラスは忘れちゃいそうだから。レギュラスだし」
私はレギュラスを見上げて答える。

「…」
何故かレギュラスは黙ってた。折角答えてあげたのに。
だけど、不意に呆れた様な溜息をつかれる。ショック。

「…そうですか」
さっきも何だか同じ様な事言ってた。反応薄い。ショック。
さっきのもあわせて私はダブルショックである。
けれどそんな事気にしてる暇もなく彼は私から顔を逸らした。
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