□笑って
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シリウスが怪我をした。
私を庇って…私のせいで。
私のせいでシリウスが。

弱いくせにでしゃばった私のせいで。

「ごめんなさい」
何度目かの謝罪を口にする。
彼の顔が見れなくて俯いた。

「ごめんなさい」
手当ての途中なのに。
中途半端に巻かれた包帯が目に付く。

私のせいなのに。
ああ、手当ても出来ないだなんて。
目の前が歪む。目頭が熱い。苦しい。

本当に、何だろう。足手まといで役に立たなくて。
私、本当に騎士団にいて良いんだろうか。
邪魔じゃないんだろうか。役に立ててないのに。

「気にすんなって」
シリウスの優しい声。
その声が私を苦しめる。余計に目が熱くなる。
泣くなんて。駄目。そうじゃなくても役立たずなのに。

「顔、あげろ」
そう彼に言われてようやく私は顔をあげた。
視界にだんだんシリウスが入ってくる。…怪我をしてるのは変わりなく。

私のせいだ。
そう思うとシリウスの事を見てられなくなって再び俯いた。

「本当に、ごめんなさい」
謝罪以外の言葉を口にしただろうか。
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