無
□俺様
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「私が好きなんでしょう?」
可愛らしく照れたりなんてしないけど。
赤くなって俯いてもじもじなんてする訳ないけど。
それでも彼はこの問いに戸惑う。
私はそれが好きでいつも聞く。
「ねぇ、好きなら好きって言って」
するりと近づいて彼に抱きつく。
細くて白い人間離れした体に。
「そうじゃないと私は貴方を嫌いになるわ」
耳元でそう言うと彼はますます戸惑う。
それが好き。大好き。愛しいの。
彼の手が私の頭を撫でる。
心地よくて目を細めた。
そしてそのまま私を抱きしめたまま。
「愛してる」
闇の帝王の彼を振り回せるのは私だけ。
こんな風に愛を囁いてもらえるのも。
俺様何様女王様!
もっと、もっともっと私につくしてみせて!