□空から、
2ページ/3ページ

「ああああああああっ」
突然空から叫び声が聞こえて。
驚いている内にどかん、と何かぶつかる音が聞こえた。

「っこの船は!ああっ」
小さな船、と言うよりはヨットやカヌーに近い気もするんだけど。
そのごちゃごちゃとした乗り物とまだ若い(多分同じくらいの、)女の人が現れた。
…空から、降ってきた。
ありえないけど本当に降ってきた。
降ってきた、が正しい。と思う。

「誰だこんなの売りつけたの!ふざけやがって!」
荒い口調でそう言って彼女は乗り物を蹴りつける。
多分、固かったんだろう。足を押さえつけて痛そうにしてる。

「…あ、」
涙目の彼女が振り返って僕を見た。

「ねぇ、あんたこれ直せない?あたしの言ってる事分かる?」
…言ってる事は分かる、けど。
一体彼女はなんなんだろう。
空から降ってきたって…何?

「あの、それ機械…ですよね?」
彼女が船と呼ぶ乗り物は確かにその形をしてる。
だけど、他にごちゃごちゃとした…マグルが使うようなそんな機械をくっつけた…変な乗り物だ。

「うん。宇宙船」
…何言ってるんだろう。
宇宙?宇宙から来たとでも?

「…ここじゃそういう機械使えなくなるんですよ」
とりあえずよく分からない所は無視してそう伝えた。
多分、彼女にとって一番大切な事。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ