短編

□でんぱっぱ
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「あー」

「どうした」

「あー」

「どうした」

「あー…」

「どうした?」

「…」

「…」

疲れた。
彼女が僕の部屋にいるのが日常的になった今日このごろ。

レイラは楽だ。余計な事を口にしないし。
見てて飽きない。今だって何だ、今のは母星との交信か、とか言ってる。
いや、だが、しかし…母星に伝えるにはもっとメルモース音を…とか言ってる。

「疲れた」
「何だ、地球人は疲れるのか」

「レイラ、君は何処から来たんだっけ」
「宇宙だ。宇宙のセルノーン星だ」
「そう、水星じゃなかったんだ?」
「水星に行くつもりがここに来てしまった。多分お前の前世が水星人なんだ」
「そっか、僕の前世は水星人だったのか」

ベッドに寝転がると睡魔が襲ってくる。
もう寝ちまえよ、疲れたんだろう、今日は寝ちゃえよ、と言ってくる。
睡魔と戦おうかと思ったが止めた。いや、僕が本気を出せば奴らなんてひねり潰せる。
でも、今日はもう面倒なので本気を出すのを止めた。
寝るのか、と彼女が聞いてくるから頷いた。
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