照らす太陽

□21枚目
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悔しがるリベルタたちを尻目に、クレアは俺のもとに歩いてくる
思わず身を固くし、警戒をしてしまう

ク「嬉しいな。俺は天才って言われるのが嫌いでな。
だってどんだけ努力しても“天才”の一言で片付けられるんだぜ?」
『だからなんだ』
ク「誰も俺を褒めてくれない。
でも、お前は俺の努力を見抜いた。だから嬉しい」

手を両手で握られる
止めてくれ
本気で逃げ出したい
隣でフィーロさんも苦笑いだ

『んじゃ、お礼ついでに相手してもらえます?』
ク「もちろんだ!」

なんだこいつ
テンション高すぎて辛い
無理矢理手を解いて訓練場の中央に向かう

クレアが持つのは小ぶりのナイフ
俺はスティレット
リーチは俺の方が長いが、スティレットは先端にしか刃が付いていない
刺突に特化した俺に対し、斬る、突くどちらも可能なクレア
条件としては五分五分か

ク「じゃあ、俺から行くぞ」
『来いっ』

予想通り速い
あっという間に切っ先が目の前にあった
体をのけぞらせてギリギリ避ける
前髪が数ミリ空に散った

リ「ディクター!がんばれーー!!」
『んのっ』
ク「遅いっ」

刃を突き出しても軽々避けられる
軌道がどうしても直線的になってしまう俺に対し、クレアの動きは読めない
まさに変幻自在
バランスを崩さないようにするだけで精一杯だ
足元が小粒の砂なのも滑りやすい

ク「以外と粘るじゃないか」
『これでもアルカナ・デュエロの優勝者なんでね。
外から来たやつに簡単に負けられるか!』
ク「いいぞ、来い!!」

大きく踏み込み、渾身の突きを、繰り出す
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