照らす太陽

□21枚目
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近付くにつれ、石壁に響く剣戟の音が大きくなる
音につられたのか、結構な数の人だかりができていた

『今相手をしているのは?』

頭越しに覗き込むも、若干身長が足りない

「おや、坊ちゃん」
『ん、お疲れ』
「今はノヴァ様とリベルタが相手をしていますよ。
簡単に遊ばれていますが」

体をずらして見せてもらう
確かに遊ばれている
2対1で
リベルタもノヴァも結構な使い手のはずなんだが

『ありゃあ、強いな・・・』
「さすが伝説、ですねぇ。
天才ってやつですか」
『違う違う』

手を横に振る
この世に天才なんていない
秀才が限度だろう

フィ「なんでそう思う?」

突然横から声がかけられる
柔らかで、でもかすかな驚きが含まれている

『あれは何度も反復練習を繰り返した結果でしょう。
あそこまで綺麗な動きはそうできるものではありません』
フィ「だとよ、クレア」
ク「嬉しいな!俺の理解者!!」

誰が貴様の理解者などになるか
こっちに顔を向けるな
見るなら相手を見ろや
あ、ノヴァの刀が弾かれた

ノ「くっ」
リ「引っ込んでろ、ひよこ豆」
ノ「僕をひよこ豆と呼ぶな!!」
ク「ほらよっ、と」
リ「あ・・・」

綺麗だ
いったいどれだけの練習を積んだ結果だろうか
人に天才と言わしめるほどに
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