照らす太陽

□20枚目
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なかなか屋敷では味わえない、ゆったりとした空気に眠気を誘われる
風にざわめく芝生に寝転がると、そっと額に手が乗せられた

ル「疲れましたか?」
『昨日までの一週間が、な。
今はどちらかと言うと癒されている。ルカはすごいな』

手を取り、歯で軽くその手袋を挟み脱がせる
一瞬固まった隙にその指先に軽く唇を押し当てた

『指先なら、賞賛』
ル「え、な、あっ?」
『掌なら、懇願』
ル「ディク、さま」
『手の甲なら、敬愛や尊敬』
ル「くすぐったいです」
『手首なら』

欲望
これを言ったらルカは逃げちゃうかな
不思議そうにしているけれど、教えてあげない
手だけでもこんなに意味があるんだ
俺としては首筋や腰、腿かな
ルカなら

ル「私なら、掌ですかね」
『俺と同じ事考えてる』
ル「他にも意味があるんですか?」
『知ってるだけでも22か所に意味があるな。
気になるなら調べてみな』

ルカに手を取られ、今度は逆に俺の掌がルカの唇に押し当てられた
確かに結構くすぐったいな
指先でその唇をくすぐれば、かすかに綻んだ

起き上がり、ルカに向かい合うようにして座りなおす
うっすらと朱に染まった頬を撫ぜる
手触りは滑らか
感触は柔らかい
上質なお菓子のよう

『ルカはおいしそうだよね。前にパーチェが言ってた』
ル「なんて会話をしているんですか・・・」
『お互い酔っていたからな。
今言われたら確実にぶん殴っているよ』

でも、悔しいけどパーチェには同感だ
いつもドルチェを作っているからだろうか
甘い香りが染みついた白い肌は、簡単に紅潮する

『俺以外にはそんな顔見せるなよ』
ル「どんな顔ですか」
『ん〜』

食べてしまいたくなるような顔?
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