照らす太陽

□20枚目
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2時間ほどたって、ルカの足音が廊下に響きながら近づいてくる
本を閉じて棚に戻すとほぼ同時
ルカが部屋のドアを開けた

ル「大変お待たせしました」
『ん、じゃあ行くか』

パーチェに嗅ぎつけられる前に
じゃないと面倒なのが付いてくるからな
誰にも気付かれないよう足早に館を出て、薬草園への道をゆく

『今日のおやつは何?』
ル「突然だったので簡単なもので申し訳ないのですが・・・」
『の割にはこだわったみたいだけどな』
ル「おいしい物を食べてもらいたいですから」
『そう』

簡単な物とか言っているが、どうせルカの事だ
何かしら手の込んだものだろう

俺には荷物を持たせられないとルカが言い張ったせいで、手ぶらで少々物足りない
かと言って乱暴に奪っては、中のカップやらが壊れる恐れがある
なら

ル「っ、ディク様?!」
『デート、だからさ』

滑らかな手袋の感触を楽しむと、薄い布の内側で時折ルカの指がビクリとする
構わず指を絡め、手を引く
おずおずと力が込められていくのを感じ、必死に笑いをかみ殺す
もし笑ったりしたら、ルカはすぐに手を放してしまうだろうから

森の中は風が吹き抜け木陰も多い
とはいえ、それでも汗はかく
日陰で休みながら森の中をゆっくりと歩いて行く
ようやく見えてきた洞窟を抜ければ、目的地はもうすぐだ
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