照らす太陽

□17枚目
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あまりの弱さにデビトは俺を見限ったようだ
そのあとは俺に一切カードを触らせず、自分で客の相手をしている
ある意味勝ち逃げされたことで傷ついたプライドを取り戻したいのだろうか

『しかし強かったな、あいつ』
デ「うるせェ。
ありゃ同業者だ。テメーに相手が務まるはずがねェ」

なるほど
だから彼は真っ直ぐに俺のところに来たのだろう
完全に手馴れていない俺に目をつけて
さすがにイカサマをしていないかぐらいは気が付けるので、彼自身の実力もあるのだろうが

デ「勝負度胸、ツキ。どちらも申し分ねェ。
顔はちと童顔だが、整っていない訳じゃない。
所属がないなら引き抜いちまいたいな」
『だが、雰囲気は柔らかいがどうも堅気の匂いがしなかったぞ』
デ「だよな。もったいない」

客の相手をしながら俺とも会話を続ける
しかもきっちり適度に勝っているあたりなんというか・・・
器用なのかなんなのか

ついに諦めたのか、部下に場所を明け渡し俺を裏に引きずっていく

デ「テメーは俺の邪魔をしに来たのか」
『いいや、まさか。
ただ見ているのが暇だから話していただけだ。
律儀に返すお前が悪い』
デ「アァ?」

相変わらず沸点低いな
突き出された顔を押しのける
お前に顔を近づけられて喜ぶのは女の子だけだ
俺は嬉しくもなんともない

ルカなら別だが

『あの男、また来ると言っていたぞ。何か対策を立てないとまずいぞ』
デ「チッ、面倒な事になってきた」
『あの様子だと、お前以外相手できないんじゃないか?
なあ、デビト』
デ「うるせェ。たく、誰に似たんだか。
アァ、考えるまでも無かった。あの錬金ジジイだな」

もちろんだ
自慢じゃないが嫌味なら負けない
こいつのサボり防止にはもってこいだろうし、彼には悪いがダシにさせてもらおう
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