照らす太陽

□13枚目
3ページ/4ページ

最初はきっちりスーツを着ていたのだが、やはり動くと汗をかく
ジャケットとネクタイを放り、シャツの袖もまくる

『すごいな』
リ「へ、何がですか?」
『これを毎日やっているんだろ?
俺なんか、おそらく明日は動けないだろうな。
デュエロの翌日も関節が痛くてな』

我ながら年寄り臭いとは思う
室内に籠っていた生活が長かったからだろう
日に当たると皮膚がヒリヒリしてくる
もう少し精力的に外に出る努力はしないとまずいな

リベルタは日に焼けているという訳ではないが、白いとは言い辛い
ダンテの傍によく居るせいで白く見えるだけだ
そんな彼の傍に居ると、己の不健康さが際立つ

リ「俺も最初はきつかったですよ。
筋肉痛で動けないのに、毎日こき使われるんで。
ようは慣れですよ、慣れ」
『そんなもんか』
リ「そんなもんです」

太陽のような笑顔とはまさにこの事
もう少し頑張ってみようかという気にさせるのだから、彼はすごい
これは天性の明るさのなせるわざだろう

ふと、パーパの言葉を思い出す
壁がある、か
そういえばリベルタはフェリチータには敬語を使っていない
よくよく思い返してみると、パーパとも自然に話している
なのに俺には敬語だ
はっきりと壁を感じる

俺の所為なのは確実だが・・・

本来であれば、年上であるリベルタに俺が敬語を使うのが正しい形のはず
現状はおかしい
かと言って、俺まで敬語を使い始めてはより距離が開いてしまうし

『む・・・』
リ「ディクター様?」
『あ、いや。
リベルタはなぜ俺にそこまでかしこまる。
以前の俺ならまだしも、最近の俺は自分でも丸くなったとは思うんだが』

頼むから、そんな困った顔をしないでくれ
これでも結構勇気を振り絞ったんだぞ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ