照らす太陽

□11枚目
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エルモが本を読む時間だと言って部屋を去り、また俺とルカだけになる
ソファーに移り、向かい合ってお茶を楽しむ

ル「武器の手入れなどはしなくていいのですか?
皆さん、部下の方々と手合わせをしたりと準備に忙しそうにしていらしましたよ」
『得物の手入れは日課にしているからな。
朝夕欠かさずやっている。
それに、いくら俺がインドア派だとしても、だ。
あいつらに後れを取るつもりはない』

ほんの二日前まで参加するつもりもなかったが、それでも自信はある
島の住人を守るために、体を鍛える事を忘れたりはしなかった

『そう言うルカはどうなんだ』
ル「私も準備はほとんど終わっています。
後は最終調整を少々」
『錬金術で戦うのか?
俺は錬金術で戦うというのがいまいちピンと来ていないんだ。
とりあえず守りは、この前のジョーリィみたいに盾を作り出せばいいのだとは分かるが』

武器を作り出して戦うのか?
ん・・・
なんか違和感があるな
ルカやジョーリィが武器を振り回すというのは、正直気味が悪い

ル「くす、明日を楽しみにしてください」
『少しくらい見せてくれたっていいじゃないか』
ル「いいえ、ダメです」

人差し指を口元にあていたずらっぽく笑う
のりが悪いな
つまらん

ル「今は我慢してください、ね?」
『はいはい、わかりました』

紅茶に口をつける
柔らかな香りが鼻腔をくすぐり、思わずため息が漏れる
こいつ、自警組織よりも執事とかの方が向いているんじゃないか?

ル「お代わりはいかがですか?」
『や、十分だ。おいしかった』
ル「ありがとうございます」

静かにティーセットを片付ける背を眺める
以前この姿を見たときは、この背はもっと小さく狭かった
俺はその背をもっと下の視点から見上げていた
なぜか今、一番13年という時間を感じている

『明日は、対峙したらちゃんと敵として扱ってくれよ』
ル「もちろんです。
私も、負けるつもりはありません」
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